Wednesday, October 31, 2012

逸脱の演習

こんにちは:)

モントリオールは来週から氷点下の世界になるそうです。

嫌だ。


*


エレベーターでガラガラなのにもの凄く近くに立ってくる人

人前で独り言を大声で言う人

雪ふってるのにタンクトップで外を歩いてるひと


こういう人に出会ったとき、「え、この人変!」と思いませんか?


ユニーク?個性?それとも逸脱者?




ということで今回は大学で履修している社会学「Deviance(逸脱)」の授業について

書きたいと思います。


恥ずかしながら、私は「逸脱」という言葉を日本語でも英語でも知らなかったのですが

マギル大学の社会学で一番人気と聞いたので、興味本位で初回授業に行ってみました。


すると

スプーンを片手に講義をする教授、

教卓の上に立って講義をする教授、

教室の後ろから講義をする教授。


とりあえず何もかもが「変」だった。


日本だったらあり得ないような講義スタイルに

わくわく、どきどきさせられ

1時間半の授業があっという間に過ぎ去りました

「履修してみたい!!」


そう思った私は、定員オーバーなところを直談判して履修させてもらいました。


教授はフランス語なまりで、こんな感じで易しい人。

特に埋もれてる方に似てます


授業では犯罪者からガラガラのエレベーターで近くに立って来る人まで、

逸脱=社会の規範を破り、それを認識された人

Deviance = Recognized violation of social norms

と広義に定義をし、様々な逸脱を多様な視点から考える授業です。


普段の授業では、ある逸脱について

生物学的、心理学的、社会学的に物事を捉え

ディスカッションをするのですが、

この前は授業が始まった瞬間に1枚の紙が配られました。













"To-Do-Nothing Experiment"





























ん?









何もしない実験?










意味が分からなかったので詳しく紙を読んでみると




①大学構内で人通りの激しいところに行く

②20分間何もしないで真顔で立つ

※手には何も持たないこと

※他の履修者が見える距離にいないこと

※"What are you doing?"と言われたときのみ"I'm doing nothing"と答えて良い

※緊急連絡先xxx-xxxx-xxxx

※身に危険を感じたらすぐに止めること


以上



ん?

教授「じゃぁいってらっしゃい」

え?

あたふたする80人の学生たち。

とりあえずみんなで教室を後にし、ちらばる。

私は最初に荷物を置きにロッカーに言って来たのですが

ロッカーからの帰り道

廊下には真顔で突っ立ってる人、人、人

それを見て困惑してる人、人、人


異様な光景に笑ってしまった。


が、私もどこかで突っ立たなければいけないので


とりあえず場所を探すことに。


が


ロッカーに行っていたせいもあり

もう人目のつくところには真顔で突っ立ってる不気味な学生ばかり。


※他の履修者が目の見える距離にいないこと


というルールを守る為に考えた結果


図書館の横にある女子トイレへ行くことに。


今考えると凄く恥ずかしい選択肢・・・


とりあえず、鏡の横にあった配管を見つめて

突っ立つことにしました。


心拍数がどんどん速くなる私。


このトイレは出入りがとても激しかったので


最初はあまり気付かれませんでした。


が

いないように扱われたり

鏡越しに視線を感じたり

凝視されたり

生きた心地がしなかった・・・

最初の5分で既にリタイアしたかったのですが

あと15分頑張ることに。


すると少し人も空いて来て、話しかけられるようになりました。




"Are you waiting?"

と何人にも聞かれましたが、

"What are you doing?"ではなかったので、真顔で無言。

つまりガン無視。

内心:いやぁああああごめんなさいぃいいいいひぃいいいい

凄く不思議がられたり、気分を害してしまったり。。。





そして

実験終了間際

とあるおばさんがやって来た。



"Pardon, ƒ©∫˜∆µ˚¬∆∫∫∆˙∫˙©ç∂≈ß≈∆˚˜¬ø˜´®†¥¨˚"


フランス語分からない。


ということで、申し訳なかったのですが、ガン無視。



するとおばさん

私の顔を覗き込み

目の前で手を振ったり、肩を持って揺すって来たり、指をスナップさせたり。

私が何も反応しないと、困った顔をし、後ずさりをし始め、





走って逃げた。






全力で逃げられました。


おばさんごめんなさい・・・


すると廊下から




"OMG, there is this strange girl in bathroom! Should I call security?"






ひぃいいいいいい!!!

やめてぇえええええ!!!




ということで、丁度20分だったこともあり、その場から全力で逃げました。



結果、20分間で30人以上もの人を困惑、不愉快にさせたとともに

私にも精神的なダメージが・・・

四六時中ハラハラした演習でした。



教授が次の授業で言っていたのですが

10人程セキュリティーに通報され、教授も大変だったそうです。







教授はこの演習を通して


特に何もしなくても人は逸脱と見なされることを体感してもらいたかったそうです。


時代

文化

シチュエーション


によって、人は逸脱者にされたり、されなかったり。


授業自体は論文をもとにディスカッションをしたり

変なビデオを見たり、演習をしたり、

とても面白おかしく、内容も逸脱にフォーカスをしていますが

必死に頭を使って、他の解釈の仕方を考え

物事の多面性を知る、実は結構深い授業です。


今期履修してて一番楽しい授業です。


以上、逸脱の授業の紹介でした:)





今夜は海賊になってモントリオールを徘徊してきまーす!woohoo!